座り読み ~徹底攻略! 板読みデイトレード 板読みスキャルピング~の極意

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はじめに

皆さんはデイトレードやスキャルピングで安定して勝てるようになりたい。
その一心でこのページにたどりついたことでしょう。

勇気を出してこのページを読み始める決心をしたあなたの勇気を称えます。
あなたの選択は正しかったとすぐに分かるでしょう。

私はデイトレードというゲームを長年やっています。
そしてこのゲームを理解しています。

あなたがデイトレードというゲームを自力で理解しようとしたら、もし理解できるとしても、何年もかかってしまうでしょう。

私自身、板読みの重要性に気づくまでに数年間という長い時間と大金を失いました。
さらにこの本に書き記したような板読みのレベルに達するまでには、長い期間にわたって研究を重ねる必要がありました。

多くの人は、派手に着飾ったデイトレードの幻想に惑わされ、デイトレードとはなんなのか、スキャルピングとはなんなのかを理解することができないまま、大きな損失を出して退場していきます。

この本を何度か読み、板情報、歩み値、同一気配約定を最低でも1か月は観察してください。
次第に板読みができるようになってくるでしょう。
そしてデイトレードやスキャルピングというゲームにおいて、どのように戦えば勝てるのかを理解し始めるでしょう。

板読みスキャルピングがトレードの基本

トレードの基本とは、チャートでしょうか?テクニカルでしょうか?ファンダメンタルでしょうか?
いえ違います。
デイトレードの基本は板読みと歩み値の読解です。すべての人はそこから始めるべきです。
板読みと歩み値の読解をマスターすることが、「安定して勝てるデイトレーダー」になるための一番の近道です。

最初からファンダメンタルやテクニカルの研究に時間を費やすことはやめてください。
車の運転に例えると、それはまるでハンドルを握ったこともないのに、カーナビの取説を暗記しようとするようなものです。
いくらカーナビの取説を暗記しても、車の運転は上手くなりません。
カーナビは、車の運転ができる人にだけ役立つものです。

デイトレードでも同じことです。
欧米のプロップファームやヘッジファンドに雇われた新米トレーダーは最初になにをすると思いますか?
板情報と歩み値だけを見てトレードさせられるのだそうです。

そして板読みスキャルピングで利益を上げられるようになった者だけが、そのほかの手法、たとえばもう少し時間軸の長めのデイトレードやスイングトレードも選択できるようになるのだそうです。(海外の事情にも詳しい専業トレーダーの方から聞いた話です)

純粋にトレードで収益を上げるためだけに存在するプロップファームがそうしているなら、我々も見習ったほうがよいのではないでしょうか。

ときどき、「スキャルピングやデイトレードは危険だからやってはいけない。スイングトレードにしなさい」とか、「スイングトレードの方が簡単だ」とか、
そんなことを言っている人がいますが、それは全くのナンセンスです。

スイングトレードでもダマシはしょっちゅうあります。
どの時間軸でトレードしようが、相場の本質は同じです。
本質とは大口がトラップを仕掛けて利益を上げているということです。

どんなに優秀なトレーダーでも、どんな手法でトレードしようとも、ドローダウンは避けて通れません。
スイングトレードでロスカットが続くときにはかなり長期間負け続けることになります。スイングトレードの場合はその期間が数か月、もしかすると1年以上に及ぶかもしれません。

自分が安定して勝てるトレーダーなのかどうか疑心暗鬼な人が、そんな長期間のドローダウンにはたして耐えきれるのでしょうか。私なら耐えきれません。

また、スイングトレードで1年やそこら勝てているからといって、本当に安定して勝てるトレーダーなのかどうかは疑問です。100回程度のトレードなら、たまたま勝てることもありますし、その時の相場環境に助けられただけかもしれないからです。

そして、初心者がいきなりスイングトレードをすべきでない一番重要な理由は、
「1分後の価格を予測するよりも、1週間後の価格を予測する方がはるかに難しい」ということです。

あと1分でランチタイムだとします。
ランチに何を食べるのか、その予測は簡単です。
「ケンタッキーフライドチキンがものすごく食べたい。だから10分後にはケンタッキーフライドチキンにいるだろう…」
この予測は80%ぐらいの確率で当たるのではないでしょうか。

しかし、1週間後のランチに何を食べるかは予測できません。
その時に何が食べたいかは今の段階では分からないからです。

たいていの場合、近い将来を予測する方がずっと簡単なのです。

専業トレーダーになりたいなら、まずは板読みスキャルピングやデイトレードをマスターしてください。

とはいえ、テクニカルを利用したトレードやスイングトレードがうまく行かないと言っているのではありません。
テクニカルでも、スイングトレードでも大きな成功を収めているトレーダーはいます。
物事を学ぶには、適切な順序があると言いたいのです。

板読みスキャルピングをマスターし、それでもスイングトレードをやりたいなら、そうしてください。
板情報や歩み値で起きることがトレードにおける全ての起点となります。

板に注文が載り、それを見たトレーダーが成り行き注文を出し、約定すればその結果が歩み値に表示されます。
歩み値のデータを基にしてチャートが描画され、チャートを基にしてテクニカルが計算されて表示されます。
チャートやテクニカルよりも上流にある事象を分析することで、相場の本質が見えるようになってきます。

板読みをマスターし、相場の本質がわかるようになったトレーダーは、並の一般トレーダーとは違う目線でチャートやテクニカルの分析ができるようになります。
ですから、板読みを学ぶことはスイングトレーダーにとっても無駄な努力ではありません。

この本で学ぶこと

この本ではまず、サンチャゴが長い時間をかけて磨いてきた「板読みスキャルピング」の手法を徹底的に学びます。
これは、エントリーしてから数秒~数分でエグジットするような超短期的な手法です。
ブレークアウト、プルバック、それに逆張り、ほとんどすべての状況に対応するスキャルピング手法です。

トレード対象は、日経225ミニ先物、日経225先物、東証1部銘柄の中でも特に売買代金が多く板が厚い個別銘柄です。
売買代金が少なく板が薄い銘柄や、売買代金が多くても板が薄くてボラティリティが極端に高い銘柄をトレードする場合は、本書の内容そのままではうまく行きません。
値動きのスピードや値幅に適応する必要があります。
しかし相場は相場、根柢に流れるコンセプトは何をトレードする場合でも同じであり、本書で学ぶ知識が役に立ちます。

板読みスキャルピングの基本を頭に叩き込んだら、次に価格帯別出来高を使って有利なエントリーポイントを見極める方法を学びます。
短い時間軸の板読みスキャルピングとはいえ、有利なポイントでエントリーするに越したことはないからです。

最後に、「今日はどんな日なのか?」「今はどんな相場状況なのか?」といった背景状況を理解し、それに合わせて戦略を変えたり、トレードを休んだりするための相場観について学びます。

私はこの数年間、毎日のようにトレードノートをつけてきました。
その結果、得に板読みや歩み値について膨大な量のノートになりました。
この書籍はその秘伝ノートのエッセンスをまとめ、なるべく誰にでも理解できるように解説したものです。

サンチャゴの長年にわたる研究成果のすべて、板読みスキャルピング手法のすべてあなたに伝授します。

ワクワクした気持ちで、腰を据えて取り組んでください。

前作との違い

Amazonで好評発売中の電子書籍「プロになるためのデイトレード入門1巻」では「歩み値」について徹底的に詳しく解説しました。

今回、この電子書籍では「板読み」について徹底的に解説します。
「プロになるためのデイトレード1巻」でも板読みについて基礎的な部分を解説ましたが、この本ではさらに深く踏み込んでいきます。

時間軸や手法の観点から違いを述べると、
「プロになるためのデイトレード入門1巻」はデイトレードレベルの逆張り手法を中心に解説したものでした。

それに対し、今回はもっと短い時間軸の板読みスキャルピング手法です。
ブレークアウト、プルバック、それに逆張り、ほとんどすべての状況に対応するスキャルピング手法です。

ただし、ここで解説する板読み手法は、デイトレードレベルのエントリーにも応用できます。

板読みを勉強する前に知っておきたいこと

板読みスキャルピングの具体的な手法の解説に入る前に、前知識として頭に入れておいてほしいことがあります。

ポーカーのセオリーから学ぶ

デイトレードやスキャルピングはポーカーと似ています。
オンラインで不特定多数のプレーヤーが一つのテーブルを囲んで戦う巨大なオンラインポーカーのようなものです。

投資銀行、ヘッジファンド、プロップファーム、一般の大口トレーダー、主婦、フリーター、初心者から上級者まで、ありとあらゆるレベル/タイプのトレーダーが一つのポーカーテーブルを囲んでいます。

板読みスキャルピングの話をする前に、まずはポーカーの基本セオリーを紹介させてください。
デイトレードでも同じセオリーが適用されるからです。

【ポーカーの基本セオリー】
あなたが相手全員の手持ちカードを知っていたら、あなたは理想的な選択ができる。
もしあなたが理想的な選択をし続ければ、長期的には相手が負ける。
あなたがそれと逆の選択をし続ければ、長期的には相手が勝つ。

一方、相手があなたの手持ちカードを知っていたら、相手は理想的な選択ができる。
もし相手がその理想的な選択をし続ければ、長期的にはあなたが負ける。
もし相手がそれと逆の選択をし続ければ、長期的にはあなたが勝つ。

David Sklansky 『THE THEORY OF POKER』(Two Plus Two Publishing LLC、1994年)

この基本セオリーは対戦型のスキルギャンブルすべてに共通するセオリーです。
プロのギャンブラーは、例外なく誰でもこのことを意識しています。

「対戦型」と言いました。
ポーカーが対戦型のゲームであることはだれでもすんなり理解できます。
実際にテーブルを囲んで相手と対戦していますから、「対戦している感」があります。

しかし、トレードを対戦型のゲームだと理解している人はどれぐらいいるでしょうか。

チャートだけを見てトレードしていると、あたかもスロットマシンかなにかをやっている感覚になってしまいます。

そして、ローソク足のパターンを見つけることができたら勝てるのだと勘違いしてしまうのです。

それはまるで、エースのペアがジャックのペアよりも強いというルールを知っただけで、自分が勝てるポーカープレーヤーになったと勘違いするようなものです。
対戦型のスキルギャンブルで長期的に勝つということは、ルールを覚えただけで勝てるというレベルのものではありません。

もちろん、自分の手持ちのカードも大切です。(相場においてはチャートパターンや価格帯別出来高など)
しかしそれ以上に、賭ける瞬間の相手の表情、相手の挙動、相手の性格、相手のプレースタイル、その時の背景状況などから総合的に判断することが大切です。

ポーカーにおいては、プレーヤーのレベルが上げれば上がるほど、自分の手持ちカードなどそれほど気にしなくなっていきます。
相手の表情や相手の行動の癖を理解すること、そして自分が相手にどうみられているかを意識することの方が大切なのです。

この本で解説する板読みのスキルは、ポーカーにおける「相手の表情を読む」、「相手の挙動を読む」に相当するスキルです。

自分が大口トレーダーだと想像してみてください。
あなたはパナソニック株30万株をロングし、数ティックの利益を上げたいと思っているとします。

しかし、30万株をいきなり成り行きで買うわけにはいきません。
そんなことをしたら、自分の注文が全て約定する前に価格が上がってしまい、その後に利食いしにくくなるでしょう。

また、他の大口トレーダーに自分の手の内がばれてしまったら、弱みに付け込まれて売り崩されるかもしれません。
そうなったら、ポジションが大きいだけに、簡単に逃げることができず、大けがにつながってしまいます。

自分が小口のトレーダーなら、自分が何をしているかなど誰も気にしていません。
ですから、好きなところで買って好きなところで売ればよいのです。
しかし大口はそうはいきません。

大口は常に、ほかのトレーダーに自分が何をしているのか、手の内をなるべく見せないようにポジションを作らなければなりません。

自分は小口トレーダーだからそんなの関係ないよ!

そんな声が聞こえてきそうです。
しかし、安定して勝ちたいなら、そうはいきません。
なぜなら、相場の値動きを短期的にコントロールしているのは大口トレーダーだからです。

彼らが何をしているのか、実際の値動きが起きる前、もしくは実際の値動きが起きる瞬間に彼らの行動を読み、コバンザメのように彼らの側につく必要があるのです。

それができるようになれば、あなたは短期トレードにおいて本物の優位性を身に付けることができます。

そんなことできるのか?

もちろんできます。
大口はその取引サイズの大きさから、いくら手の内を隠そうとしても、隠しきることはできません。
注意して見ている人には手がかりを残してしまいます。

その手がかりを見た時だけ、確率論で考え、躊躇せずにエントリーする。
そして動きに勢いが無くなればすぐに利食いする。
それが私の板読みスキャルピングです。

板読みスキャルピングを一言で表現するならこうです。

「大口の動きを板読みと歩み値で読んでエントリーし、勢いが無くなればすぐに降りるゲーム」

このことを常に頭の片隅に置いておいてください。

ポーカーというスキルギャンブルについて短時間で、楽しみながら知りたいなら、
ラウンダーズ」という映画を観てください。
対戦型のスキルギャンブルがどんなものなのかを垣間見ることができます。

ダマシのブレークアウトが多いのはなぜか

システムのシグナルに従い、レンジのブレークアウトを買った直後に反転し、レンジの中に逆戻り、速攻でロスカットになってしまった経験があるでしょう。

なぜそうなるのでしょう?

たいていの場合、こんなことが起きています。

投資銀行やヘッジファンドなどの大口トレーダーはどこにサポートラインやレジスタンスラインがあるのかを完全に把握しています。フィボナッチ、ピボット、マーケットプロファイル、価格帯別出来高、全てを把握しています。

世界中の人が1500円がレジスタンスラインだと分かっているとします。
トレーダー達は1500円のレジスタンスラインを抜けるのをひたすら待っています。そう、あなたや私のようなデイトレーダーです。
1499円の売り板に4万株が、1500円の売り板に20万株の売り注文が入っています。

ここに大口のトレーダーがいます。ABCヘッジファンドのマイケルです。彼は最大50万株まで買うことを許されています。彼も1500円がレジスタンスラインだと知っていて、そのラインを抜けたら、あなたのようなデイトレーダーが成り行きで買ってくると分かっています。
そこで彼はまずどうするかというと…
1502円、1503円、1504円あたりに売り指値注文を入れます。

売り指値注文?

その通り、売り指値です。それぞれの価格に数万株ずつ売り指値を入れるのです。そして…1499円と1500円を全部成り行きで買います。1499円に入っている4万株、1500円に入っている20万株を成り行きで買った後、1500円に20万株の買い板を入れます。
彼の買いが起爆剤となり、
一般のデイトレーダーたちが1501円、1502円、1503円を成り行きで買います。
1500円が持ちこたえると思って1495円~1499円あたりでショートしていたトレーダーたちも、1501円、1502円、1503円あたりでロスカットします。彼らのロスカットは成り行き買いです。
これら2つの買いにより、値段が上がります。
1500円で20万株の売り指値注文を出していた大口トレーダーはロスカットするかもしれないし、しないかもしれません。その時の雰囲気次第でしょう。もし彼がロスカットするなら、価格はさらに上がります。

だれが上がったところで売っているのでしょうか?
ABCヘッジファンドのマイケルです。この混乱の引き金を引いた張本人です。
マイケルは1499円と1500円でロングしました。彼が1502円~1504円にあらかじめ入れておいた売り指値注文を、一般のデイトレーダーたちが買います。

マイケルはブレークアウトの引き金を引く前に、すでに利食いの売り指値を入れて待ち構えていたというわけです。
14万株で数ティックの利益。悪くない利益でしょう。

この場合、ブレークアウトしたあと1500円より上に株価はとどまるのでしょうか、それともレンジに逆戻りするのでしょうか?

それは、どれぐらいの資金がブレークアウトに飛びついたかにかかっています。
1500円をブレークアウトした後、さらなる大口が現れて買い始めるかもしれません。
ものすごい数のショートトレーダーのロスカット(成り行き買い)が始まるかもしれません。

しかし実際には、そうならずに上昇はピタッと止まり、レンジの中に逆戻りしてしまうことの方が多いです。
ブレークアウトの初動で数ティックは上がります。
小口のショートや中ぐらいの規模のショートのロスカットと、ブレークアウトに飛び乗ってくるトレーダーの買いにより上がるからです。

それほど大きなサイズで買えない一般トレーダー達が買い終わると、上昇はピタッと止まります。
レジスタンスラインを抜けて少し上昇した直後に上昇がピタッと止まってフォローがつかないなら、今度は大口が逆張りを仕掛けてきます。

大口がブレークアウトに遅れて乗ってくることはあまりありません。どちらかというと、そのようなケースでは逆張りを仕掛けてくる方が多いように思います。

他の大口トレーダーは、ブレークアウトにフォローがつかないのを見ると1503円、1502円、1501円あたりでショートを仕掛けてきます。

「一体どうなっているんだ!」
「なぜ上がらないんだ?」

ブレークアウトで買った一般デイトレーダーは焦り始めます。
そして、「騙しのブレークアウト」だと思ったらロングポジションを投げ始めます。

つい先程1503円あたりでロングポジションを利食いしたばかりのマイケルがそれを見ています。

「うーん、1500円を割り込んだら、今1502円~1505円あたりでロングしているトレーダーはみんなロスカットするだろうな」

そこで、マイケルはまた仕掛けます。
まず、1495円~1498円あたりに利食いの買い指値注文を入れておきます。
そして1499円~1501円で今度は20万株をショートし、1499円に20万株の売り板を入れます。

一般のトレーダーはパニックに陥ります。

「ありえない!理解できない!」
「重要なレジスタンスラインをブレークしたんだぞ!なんで上がらないんだ!?」

そして一般トレーダー達は1498円~1495円あたりでロングポジションをロスカット(成り行き売り)します。
そこで買っているのは言うまでもなく、またしても、ABCヘッジファンドのマイケルの利食い注文です。
マーケットは1495円~1498円あたりで落ち着き、何事も無かったかのように静けさ取り戻します。

1人のトレーダーがレジスタンスラインを抜けさせて利益を上げ、叩き落とすことでまた利益を上げたのです。
あなたよりもたくさんお金を動かせるトレーダーの仕業です。

資金力のあるトレーダーが相場を動かす

機関投資家

先程の例でマイケルは1500円を買い落とし、そこに20万株の買い板を入れました。そこで誰かがその20万株を売り落とす可能性はないのでしょうか。

もちろんあります。そういうことも起こります。もしそれが起きれば、マイケルはロスカットすることになります。
誰が一番たくさんの資金を持っているかの問題なのです。

だからこそ、一般のデイトレーダーでも、やり手のデイトレーダーはブレークアウトしたあとに中途半端な価格で遅れてロングすることはしません。
もし相場がレジスタンスラインをブレークアウトすると思っていて、板情報や歩み値でその通りのことが起きているなら、ブレークアウトする前に買っておきます。
彼らは1496円~1498円あたりで先回りして買っています。大口がロングポジションを作っていて、ブレークアウトを引き起こす予定だと読めているからこそできることです。

そのようなポイントでのよくあるパターンはこんな感じです。

1500円をタッチ→1496円に戻る→1499円にタッチ→1497円に戻る→1499円をタッチ→1497円に戻る→1499円にタッチ1498円に戻る

レジスタンスラインをタッチした後のプルバックが徐々に弱まります。
そしてレジスタンスラインのすぐ下に停留します。

そのような動きを見たら、私のような小口専業トレーダーは大口が買っているのではないか?と予測し、板読みで確認しながら買いポジションを作ります。
そして待ちます。

何を持つのかというと、先程登場したABCヘッジファンドのマイケルのような大口トレーダーが1500円を落としてくれるのを待つのです。

「自分が20万株を全部買って1500円の売り板を買い落とす資金力と勇気があったらどんなにいいだろう」と思うことはしょっちゅうあります。誰かがその板を買って落としたら必ずブレークアウトするだろうと分かっているからです。
1500円の売り板を落とせばショートは逃げ出すだろうと。

だれか買えないのか!

残念ながら、自分にはそんな資金力はありません。
同じことを考えている他の専業トレーダー達にもありません。

そしてついにマイケルが1500円を買ってくれてブレークアウトが始まります。
いったんブレークアウトが始まったら、大口の買いが継続しない限りは1502円~1505円あたりで、マイケルと一緒に利食いします。

もしブレークアウトの直後にまだロングポジションを持っていなかったら、1502円~1505円で買うようなことは滅多にしません。エントリーを逃してしまったならしかたありません。あきらめるのです。そういうこともあります。気にしません。マイケルが利食いするタイミングで買うのは上手い方法ではないからです。

それと同じシチュエーションで、マイケルよりももっと大きなトレーダーが1500円のブレークアウトを食い止めたなら、私のような専業デイトレーダーは1497円や1498円でロスカット、もしくは同値撤退します。それもよくあること。仕方ありません。もしくは、ショートにドテンします。

物凄い資金力のあるトレーダーがブレークアウトの買い圧力を全部吸収して価格の上昇を阻止したのです。だれもそれに逆らってはいけません。ロスカットしてあきらめるか、ドテンして彼と同じ方向につくべきです。

システムトレードでこのような読みができるでしょうか。
少なくとも、テクニカルやローソク足だけをベースとしたシステムでは決して読むことができないでしょう。

トレードはアートだ、数学じゃない!

トレードはアートのようなものです。数学的に解決できる部分もあるとは思いますが、アートの割合のほうが多いと思ってください。
トレードとは板情報と出来高を読んで人の行動を予測し、その先の値動き予測するアートなのです。

ですから、本書で解説する板読みスキャルピングのエントリー手法を暗記したとしても、必ず勝てるようになるわけではありません。アートの部分を完璧に教えることなどできないからです。

しかし、ここで紹介する板読みスキャルピングのエントリー手法の根底に流れるセオリーを理解し、十分に長い時間訓練を積めば、あなたがトレードする銘柄の癖に適応し、動的に微調整するような芸術的なトレードができるようになるでしょう。

また、トレードには常に運の要素が付きまとうのだということを理解しておいてください。
10年以上もの間、目立ったドローダウンなしに勝ち続けるトレーダーもいます。

それでも、運の要素はあります。
完璧に板情報と歩み値を読み切り、完璧なエントリーをしても、それでも負けるときは負けます。

長年の経験を積み、勝てる手法を身に付けれたトレーダーにとって「運」とは、「トータルで勝てるか」の運ではなく、「いくら勝てるか」の運になってきます。

レジスタンスラインをブレークアウトして12ティック上げてくれる時があります。
一方、ブレークアウトの瞬間までの状況が全く同じでも、2ティックしか上げないこともあります。
全く同じセットアップでエントリーしても、稼げる金額は運次第なのです。

後の例では、ブレークアウトに乗ってくる大口がいなかったのです。もしくは、ショートのロスカットがそれほど入っていなかったのです。
そんな場合は、ため息をついて2ティックか1ティックで利益確定をします。

どちらにしても、うまく出来高を読めれば、たいていの場合は利益になります。
それが10万円の利益なのか、5千円の利益なのかは完全に運次第です。

ですから、運の悪い時でも冷静に対応できるよう、常にトレードメンタルを整えておいてください。
本書ではトレードメンタルについては省略します。

トレードメンタルについて学びたい方は、私の電子書籍「プロになるためのデイトレード入門 自分だけの相場心理を極めて相場で勝ち残る編」などの相場心理学に関する書籍を本書と併せてお読みください。

(「プロになるためのデイトレード入門 自分だけの相場心理を極めて相場で勝ち残る編」は2014年5月現在、Amazonにて99円で販売しています)

ローリスクなエントリー戦略

たいていの場合、値動きの勢いが出ている方向にトレードしてください。
理由は簡単。すでに勢いが出ている方向に動く方が、相場にとって簡単だからです。
走り出した電車を止めるのは大変ですが、走り出した方向に電車を押すのは簡単です。
トレードでも同じことです。

相場が15ティック急落したとします。
その状況で、買いたくてウズウズしている人はどれくらいいるでしょうか。

もし誰かがその下落を止めたいと思ったなら、勇気を出してかなりの株数を買わないと止まりません。
なんとか下落が止まったとしても、10ティック上で空売りした人はそう簡単にはあきらめません。
彼らはさらなる下落を期待して待つでしょう。

そこで逃げ出すとしたら、最後の最後に遅れて空売りした人が同値撤退か1ティック負けで逃げようとする場合ぐらいでしょう。
このように急落している場面では、新規の買いはあまり入ってこないし、ビビッて逃げ出すショートの買戻しも少ないのです。

その反面、15ティック急落した相場には、さらなる下落の条件が整っています。
急落に乗り損ねた売り方は悔しがっています。
なんとか第2波には乗りたいと思ってマウスに手をかけていることでしょう。固唾をのんで次の空売りシグナルを待っているのです。

また、その状況でロングはかなりナーバスになっています。含み損が膨らみ、これ以上下がったらロングポジションを投げるしかないという状況に陥っています。

価格の下落を止めて3ティック反発させるのに10万株の買いが必要だとしたら、底値をブレークして、さらに6ティック下げるには5万株の売りで十分です。
だからこそ、勢いのある値動きには決して逆らってはいけないのです。

とはいえ、しっかりとした逆張りの技術を身に付けたなら、逆張りにもチャンスはたくさんあります。

私がここで言いたいのは、安易な逆張りや、勢いのある値動きに対して逆張りするのは危険だということです。
特にスキャルピングに関しては安易な逆張りは絶対にやってはいけません。

それなら逆張りのことは忘れて、順張りのスキルだけを覚えればいいのでしょうか?

残念ながら違います。
逆張りエントリーをしないなら逆張りのスキルが不要なのかというとそうではありません。
なぜなら、順張りでエントリーしたなら、その利食いには逆張りのスキルを使うからです。

順張りでロングエントリーしたポジションの利食いは、逆張りショートエントリーするポイントと同じだからです。
順張りしかしない人にとっても、逆張りのスキルは必須なのです。

本書では順張りスキャルピンのエントリーも、逆張りスキャルピングのエントリーも両方解説します。

板読みの基本 ~板読み5つの要素で相場を読む

それではさっそく、板読みの基本を一から学んでいきましょう。

ただ漠然と板情報や歩み値を見ていても、なかなか重要なシグナルを読み取ることはできません。
板情報や歩み値のどういう点に注目したらよいのかを知りたいですよね。
この章では、サンチャゴが板読みをする際にどんな観点で板と歩み値を観察しているのか、詳しく解説します。

私が最初に板を観察し始めたとき、ただ単に板に入っている指値注文がチカチカと点滅するばかりで、板情報をどうやってトレードに活かしたらいいのか分かりませんでした。

しかし何年もずっと板情報を観察し続けることで、少しずつ気付きがあり、「板情報をどのような観点で観察すればよいのか?」が分かってきました。

慣れてくると板情報と歩み値をなんとなく見ているだけで動きを理解できるようになりますが、最初のうちは、板読みをいくつかの要素に分解して観察する方が効率的です。

板読みの要素

板情報や歩み値の動きには以下のような要素があります。

  • 成り行きの買い(アグレッシブな買い)
  • 成り行きの売り(アグレッシブな売り)
  • 買い板のアイスバーグ注文(消極的な買い)
  • 売り板のアイスバーグ注文(消極的な売り)
  • 買い板のキャンセル(買う気の無さ)
  • 買い板のキャンセル(売り注文を誘い込むトラップ)
  • 売り板のキャンセル(売る気の無さ)
  • 売り板のキャンセル(買い注文を誘い込むトラップ)
  • 買い板の積み上げ(大口の利食い注文/大口の見せ板)
  • 売り板の積み上げ(大口の利食い注文/大口の見せ板)

それぞれの要素がいくつか組み合わさり、実際にエントリーする際の売買シグナルとなります。
これらの要素を買いシグナルと売りシグナルに分けると下表のようになります。


続きは電子書籍でお会いしましょう。


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電子書籍のもくじ

はじめに
板読みスキャルピングがトレードの基本
この本で学ぶこと
前作との違い
板読みを勉強する前に知っておきたいこと
ポーカーのセオリーから学ぶ
ダマシのブレークアウトが多いのはなぜか
資金力のあるトレーダーが相場を動かす
トレードはアートだ、数学じゃない!
ローリスクなエントリー戦略
板読みの基本 ~板読み5つの要素で相場を読む
板読みの要素
アグレッシブな注文
アグレッシブな注文をどうやって見分けるか
歩み値を使ってアグレッシブな注文を見分ける
同一気配約定情報を使ってアグレッシブな注文を見分ける
アイスバーグ注文の直後に反対側に約定する成り行き注文は強いシグナル
大口の消極的な注文
アイスバーグ注文とは何か
板のキャンセル ~強い?それとも弱い?
1.買う気がないから買い板をキャンセルした
2.買い板にキャンセルが出て板が薄くなったのに誰も売らない
3.売り手を誘い込むために買い板をキャンセル
買い板にキャンセルが出た場合の意味
売り板がキャンセルされた場合の状況別の意味
厚い板
板読みの要素を使ったエントリー
具体的なエントリーセットアップの例
逆張り
誘い込み
誘いこみの概要
誘い込みの解説
誘い込みのエントリー
誘い込みのロスカット
誘い込みのアイスバーグバージョン
おしおき
おしおきの概要
おしおきに含まれる板読みの要素(シグナル)
おしおきの解説
おしおきのエントリー
おしおきのロスカット
逆張りは最後の選択肢である
ブレークアウト手法
フライイングブレーク
フライイングブレークの概要
フライイングブレークにおける板読みの要素(シグナル)
ライイングブレイクの解説とエントリー
フライイングブレークのロスカット
遅れて乗っかるエントリー
勢いのあるトレンドに途中から乗っかる手法
ポンプフェイク&ジャンプ
ポンプフェイク&ジャンプの概要
ポンプフェイク&ジャンプにおける板読みの要素(シグナル)
ポンプフェイク&ジャンプの解説
ポンプフェイク&ジャンプのエントリー
ポンプフェイク&ジャンプのロスカット
板のアノマリーを利用する
厚い板の方に動くときに起きていること
板のアノマリーを利用したエントリー手法
板のアノマリーとポンプフェイク&ジャンプを利用したエントリー
ポンプフェイク&ジャンプと板のアノマリー 概要とエントリー
ポンプフェイク&ジャンプと板のアノマリーにおける板読みの要素(シグナル)
ポンプフェイク&ジャンプと板のアノマリー ロスカット
板のアノマリーの注意点
板が薄くボラティリティの高い銘柄
板の厚い薄いが極端に表れる
一日の中でたくさんのエントリーポイントがある
板の薄い銘柄、問題は…
板が薄くてボラティリティの大きい銘柄では明確なアイスバーグ注文は無い
ボラティリティの高い銘柄特有の動き トレマーズ
板読みスキャルピングの利食い
ロスカットについておさらい
板読みスキャルピングの利食い
利益が乗ったあとのリスクレワード比を常に意識する
大きなリスクで大きな利益を狙おうとしないこと
利食いの判断においても板情報や歩み値を読む
利益を守る
エントリーのセットアップは利食いのシグナルでもある
価格帯別出来高を使ってスキャルピングのエントリーポイントを見極める
価格帯別出来高ってなに?
価格帯別出来高を使うメリットとは?
価格帯別出来高を理解するために必要なチェンジ
ゆっくり動くエリアと素早く動くエリア
それがどう役立つのか?
マーケット(相場)の目的
出来高の多い価格帯が形成されるまでは触らない
マーケット(相場)の目的 まとめ
なぜレンジブレークアウトが起きるのか
大口の罠アイスバーグ注文のパターン
価格帯別出来高の段差で止まるプルバック
出来高の多い価格帯に入り込んでしまったら?
出来高の芯 ~まずは芯ができる
芯から下に十分下げた場合
芯から下に下げない場合
レンジの両端で逆張りスキャルピング
バイアスが下降トレンド継続の場合
バイアスがリバーサル(反転)の場合
何をするにしても大切なこと
出来高の芯に関してのまとめ
価格帯別出来高を使った逆張り
ダブルボトムのパターン
ダブルボトムにならないパターン
さらにもう一つ出来高の多い価格ができたら?
出来高の多い価格帯がシフトする意味
相場の背景状況を理解して相場観を身に付ける
トレーダーが乗り越えるべき6つの壁
ポーカーの例でデイトレードをコアから理解する
ポーカーの例でデイトレードをコアから理解する まとめ
今日はどんなタイプの日?
1.いけいけモード
2.大口がゆっくりポジションを作っているモード
3.トラップモード(なめとんのか!モード)
4.おやすみモード
いつも根底にある考え
あとがき


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